ゴミが家の外にまで溢れ出し異様な外観を呈するゴミ屋敷。この光景は日本を訪れる外国人にとってしばしば大きな驚きとカルチャーショックをもって受け止められます。「クリーンで整然としている」という日本のパブリックイメージとあまりにもかけ離れているからです。海外のインターネット掲示板や動画サイトでは日本のゴミ屋敷の映像が「信じられない光景」として紹介されることも少なくありません。その反応の多くは「なぜこんな状態になるまで放置されるのか?」「行政はなぜもっと早く介入しないのか?」といった驚きと疑問の声です。欧米諸国の多くでは個人の住居であってもその外観が地域の景観や公衆衛生を著しく損なう場合、日本よりも迅速かつ強力に行政が介入する法制度が整っていることが多いからです。例えば庭の芝生を一定の長さに刈り揃えることを義務付ける条例がある地域や、建物の外観に関する厳しい規制がある住宅地も珍しくありません。違反した場合は高額な罰金が科されることもあります。このような社会では個人の権利よりもコミュニティ全体の環境や資産価値を維持するという公共の利益がより重視される傾向があります。一方日本の場合は憲法で保障された「個人の財産権」が非常に強く、たとえゴミであってもそれは所有者の財産と見なされるため行政が強制的に介入することへのハードルが非常に高いのが実情です。また「恥の文化」や「他人に迷惑をかけない」という意識が強い反面、他人のプライベートな問題に深く踏み込むことを避けるという文化的な背景も問題を長期化させる一因となっているのかもしれません。しかし近年では日本でもゴミ屋敷を個人の問題として放置せず、福祉的な支援と連携しながら地域社会全体で解決していくべきだという認識が広まりつつあります。ゴミ屋敷の外観という目に見える問題を通じて私たちは日本の社会が抱える法制度や文化そしてコミュニティのあり方について改めて考えさせられるのです。
ゴミ屋敷の外観!海外の反応と日本の違い