それは、一週間にわたる過酷な作業の最終日の夕方のことでした。玄関から奥の寝室まで、文字通り天井を支えるかのように積み上がっていたゴミの山が、プロの清掃員たちの手によってすべて運び出されました。最後に残ったのは、長年ゴミの圧力に耐え、煤やカビで汚れてはいるものの、確かにそこにある「部屋の本来の姿」でした。私は、ガランとした部屋の真ん中に立ち、十数年ぶりに自分の部屋の天井をまじまじと見上げました。「ああ、私の部屋の天井は、こんなに白かったんだな」と呟いた瞬間、抑えていた涙が溢れ出しました。天井までゴミがあった頃、私の視界は常に茶色い段ボールや薄汚れたビニール袋に遮られ、空を見上げることさえ忘れていました。天井は、私を押し潰そうとする脅威でしかなく、その圧迫感の中で息を殺して生きてきました。しかし、今、目の前にある天井は、高く、広々としていて、私が呼吸するための自由な空間を再び与えてくれています。窓から差し込む夕日が、何もない床に反射し、磨き上げられた天井を淡いオレンジ色に染めていました。その光景は、地獄から生還した私への、ささやかな祝福のようにも感じられました。清掃業者の方々が最後に「お疲れ様でした。これからは、この天井を見上げながら、ゆっくり休んでくださいね」と声をかけてくれたとき、私はようやく、自分の犯した間違いを許し、自分を大切に扱おうという決意を固めることができました。天井までゴミを溜めることは、自分を墓場に埋めるような行為でした。でも、その山を崩し、天井の白さを取り戻したことで、私は再び「人間」として歩き始める権利を得たのです。汚れた天井は、これから少しずつ自分でペンキを塗って、もっと綺麗にしていこうと思います。ゴミの山という偽りの安心感を捨て、このガランとした、少し寒いけれど清々しい空間で、私は新しい物語を紡ぎ始めます。天井までゴミがある生活に終止符を打った今日という日は、私の新しい誕生日です。高い天井の下で、大きく深呼吸をしながら、私は明日への希望を噛み締めました。さようなら、ゴミの壁。おかえり、私の自由。光あふれる清潔な部屋で、私はようやく、本当の意味で前を向いて歩き出すことができました。