ゴミ屋敷の片付けを始める際、「どこから手をつければいいのか分からない」という悩みを抱える人は少なくありません。膨大な物に囲まれている状況では、どの部屋から取り組むかによって、その後の作業効率や精神的な負担が大きく変わってきます。私は多くの片付け現場を見てきましたが、最も効果的で心理的な負担が少ないのが「玄関から始める」という方法です。 玄関は家の顔であり、外部との接点です。ここが物で溢れていると、出入りがしにくくなるだけでなく、心理的にも閉塞感を感じやすくなります。また、宅配業者や訪問者があった際に、部屋の中を見られてしまうことへの抵抗感も、片付けのモチベーションを低下させる一因となります。まず玄関を綺麗にすることで、心理的な圧迫感が軽減され、外部からの視線を気にせず、安心して作業に集中できる環境が整います。 具体的な作業順序としては、まず玄関に積まれた不要な物を全て外に出すことから始めます。靴や傘、DMなど、明らかにゴミとして処分できる物、あるいは本来の置き場所に戻せる物を分類します。この時、迷う物は一旦保留にして、まずは「確実に処分できる物」に焦点を当てて作業を進めましょう。玄関が綺麗になることで、家全体が明るくなったように感じられ、片付けに対するポジティブな気持ちが芽生えるはずです。 次に、玄関からリビングや各部屋へと続く廊下に取り組みます。ここもまた、物の通り道となる重要なエリアです。廊下が物で塞がれていると、片付け作業中に物を運ぶ際にも支障が出ます。玄関と同様に、廊下にある不要な物を撤去し、安全に移動できる通路を確保します。この「通路確保」の作業は、その後の片付け全体の効率を格段に向上させるだけでなく、心理的なストレスも大きく軽減してくれます。玄関と廊下という、比較的狭い空間から始めることで、小さな成功体験を積み重ね、大きな成果へと繋げる極意なのです。