部屋の汚さにはいくつかの段階、いわゆるレベルが存在し、それぞれの状態によって居住者の精神状態や健康へのリスク、さらには改善に必要な労力が劇的に変化します。まずレベル1は、机の上に郵便物が溜まっていたり、脱いだ服が椅子に掛かっていたりする程度の、いわゆる「生活感のある散らかり」の状態です。この段階では掃除機をかけるスペースもあり、来客があれば三十分程度の片付けで解消できるため、社会的な支障はほとんどありません。しかし、これがレベル2へと進行すると、床の一部に雑誌やバッグ、コンビニの袋などが置かれ始め、フローリングの面積が徐々に減少していきます。この段階から「掃除機をかけるのが面倒」という心理的障壁が生まれ、埃が溜まりやすくなります。レベル3に達すると、床の半分以上が物で埋まり、部屋の中を歩くための「獣道」が形成され始めます。この状態になると、探し物が見つからないことが増え、衣服には埃の匂いが染み付き、居住者は自室に人を呼ぶことを強く拒むようになります。さらに深刻なレベル4では、ゴミの堆積が膝の高さまで達し、生ゴミの放置による異臭や害虫の発生が顕著になります。キッチンのシンクや浴室などの水回りが機能不全に陥り始め、衛生状態は極めて劣悪です。この段階では自力での復旧は困難であり、精神的にもセルフネグレクトの兆候が見られることが多くなります。そして最終段階のレベル5は、ゴミが天井付近まで積み上がり、扉が開かない、あるいは家財がゴミの圧力で損壊している状態です。火災の危険性が極めて高く、建物の構造自体にダメージを与えている可能性もあります。このレベルでは行政の介入や専門業者の特殊清掃が必要不可欠です。自分がどのレベルにあるのかを客観的に把握することは、最悪の事態を防ぐための第一歩となります。レベル2の段階で食い止めることができれば、生活の質は維持されますが、レベル3を越えると坂道を転げ落ちるように悪化する傾向があるため、早めの自覚と対策が求められます。