私たちは給湯器の交換を専門に行う工事業者として、日々さまざまなご家庭を訪問していますが、中にはいわゆる汚部屋やゴミ屋敷に近い状態の現場も少なくありません。お客様は申し訳なさそうに「汚くてすみません」とおっしゃいますが、私たち現場の人間からすれば、作業スペースさえ確保されていれば、部屋がどれほど散らかっていてもそれほど大きな問題ではありません。もちろん、床に足の踏み場がなかったり、異臭が激しかったりする場合は作業効率が落ちますが、私たちの最大の関心事は「いかに安全に、確実に新しい給湯器を設置し、ガス漏れがないかを確認するか」にあります。汚部屋での作業で最も困るのは、リモコンが設置されている壁面や、屋外の給湯器本体の周辺に、古い家具や段ボール、あるいは大量の不用品が置かれていて、物理的に手が届かない場合です。特にリモコンの交換は、配線の接続を確認するために壁裏の状況を見る必要があり、台所のシンク周りや浴室の入り口が物で塞がっていると、作業を中断せざるを得ないこともあります。また、ゴミ屋敷状態の現場では、ゴキブリなどの害虫やダニの発生も多く、機材や道具にそれらが付着して持ち帰ってしまうリスクを避けるため、細心の注意を払います。それでも私たちは、お湯が出なくて困っているお客様を放っておくことはできません。部屋が汚いからといって依頼を断ることは滅多にありませんし、むしろそうした環境にある方ほど、お湯が出るようになることで生活の質が改善し、精神的な余裕を取り戻される様子を何度も見てきました。工事をスムーズに進めるためのアドバイスとしては、せめて玄関から作業箇所までの通路を幅六十センチ程度確保し、リモコンの周囲三十センチ以内にある物を避けておいていただけると助かります。また、床の汚れが気になる場合は、あらかじめ新聞紙を敷いておいていただければ、その上を歩いて作業しますのでお互いに気を使わずに済みます。私たちは数多くの現場を経験しているプロですので、どうぞ恥ずかしがらずにご相談ください。不衛生な環境で壊れた給湯器を使い続けることのリスク、例えば不完全燃焼による一酸化炭素中毒などを防ぐことの方が、私たちにとっては遥かに重要だからです。
工事業者の視点から見た汚部屋での給湯器交換現場